二次元畑でつかまえて

アニメやゲームの感想をのんびりまったり。ボーイズラブの話もしたりするのでご注意を。

同級生を観てきました~!

 映画「同級生」を観てきました!
 ボーイズラブものですので、苦手な方はご注意くださいね。
 

 

 物語は主に気怠げなヤンキー高校生・草壁の視点で進んでいきます。

 心中を吐露する台詞などは主に草壁のものです。

 何が素晴らしいってその演出方法なんですね。私は難しいことは分からないのですが、まず始まる前にスクリーンが縮んだので「え?こんな小さな画面でやるの?」と最初は思いました。映画=大画面でやることに醍醐味がある、と思っていたので。始まってからも、漫画のコマ割りのように小さくカットされた場面が出てきてその周りは黒塗りだったり、吹き出しが出てきたり。とにかく見たことのない表現方法が多くて始めは慣れなかったのですが、観終わったあとでは「ああ、あの切り取られた一瞬一瞬が本当に印象的だったな」と感じました。高校時代という瞬く間に過ぎ去ってしまう時間の儚さのようなものがとても表れている気がしました。

 そして草壁と佐条、原セン以外の人物が漠然とした線で描かれているのもこの恋が二人だけのものである、という印象を濃くするのに一役買ったのだと思います。元々名前がつきそうなくらいに登場するキャラクターは少ないのですが、さらに彼らの存在を薄くすることによって、草壁と佐条二人をうまく浮き彫りにしたというか。上手に言えないのですが、そんな感じです。

 さて、肝心の内容に関してですが、「ゆっくり、真面目に、恋をしよう」とのキャッチコピーどおり、とても丁寧に二人の恋や心情の動きが描かれています。私は何度か出てくる夜の噴水がある公園のシーンがとても好きです。恋心の動揺から買った炭酸のジュースをこぼしてしまった時の、そのはじけるしゅわしゅわとした音。ころころと転がるペットボトルのキャップ。季節が変わったあとでは「あ、レモン味なんて出たんだ」なんて台詞があったり。本当に何気ないシーンなのですが、今一番心に残っているのは話題になっているキスシーンや、ラストシーンよりもそういった二人の何気ない日常です。

 これはぜひ原作も購入して、またもう一度映画を観に行こう!と思わせてくれる素晴らしい映画でした。きっと一瞬一瞬が儚過ぎて、一度観ただけでは取りこぼしてしまった場面がたくさんあると思うので。ゆったりとした雰囲気の中にも思春期と青春がはちきれそうなくらいにいっぱいに詰まっています。スタッフロールが流れている時のテーマソングも素敵な余韻を味わわせてくれます。私のように原作を知らない人間でもとても楽しめたので、おすすめさせていただきたい一作です。